
こんにちは、ユウジです。
「一万円札の人」として日本に住む人の多くが知っている人物。
そう、福沢諭吉。
1984年から最高額の日本銀行券「一万円札」の肖像画に使用されているということで、多くの人々に親しまれています。
重要な功績を残し、近代日本の形成に大きな影響を及ぼしたということは、日本の義務教育を受けられた方ならご存知だと思います。
以下の二つはどんな歴史の教科書にも書かれていると思います。
- 慶應義塾の創設者
- 『学問のすゝめ』を著す
本記事では、そんな福沢諭吉が青年期を過ごした「適塾」(蘭学の私塾で、現在の大阪大学の前身)で塾生に出されていた食事を再現した「適塾御膳」を紹介しますね。
福沢諭吉ゆかりの味「適塾御膳」
福沢諭吉が青年期を過ごした適塾。
適塾では塾生らに食事が振る舞われていました。

重要文化財に指定されている適塾 大阪大学が管理・運営している
福沢諭吉の自伝『福翁自伝』には、当時の適塾時代の生活模様などが細かく記されています。
そのなかに書かれている当時の食事を再現したものが、今回ご紹介の「適塾御膳」です。
大阪大学とリーガロイヤルホテルのコラボによって、2014年6月に生まれたランチメニューです。
大阪大学中之島センター2階にあるカフェテリア「スコラ」で、ランチ時間帯(11:30〜14:00)に、「適塾御膳」を食べることができます。
大阪大学中之島センターは、このような建物です。
学生・教授・職員などの大学関係者でなくても、出入りが可能です。
”カフェテリア スコラ”の案内看板もエントランス前に置かれています。
この建物の2階にあります。
2階に上がると...
こちらが、”カフェテリア スコラ”の出入口です。
新聞記事のスクラップと共に、適塾御膳の概要を掲示しています。
食券方式です。
支払い方法は、現金のみです。
適塾御膳 価格は1,100円です。
食券を店員さんに渡して、出来上がるまで少し待ちます。
番号札を渡され、呼ばれたら受け取るという方式です。
その間に、私はコーヒーを煎れました。
適塾御膳はコーヒー付きなので、好みのコーヒーを指定して機械で注ぎます。
私はホットコーヒーにしました。
待つこと、5分。

適塾御膳
凄く立派な御膳です。
受け取った時のお盆の重みがズッシリとしていました。
「適塾御膳」の味・感想
それでは、まず何が入っているのかを紹介していきます。
まずは、適塾御膳で最もインパクトある”牛肉(すき焼き風)”です。
当時の牛肉について、福沢諭吉は「牛は随分硬くて臭かった。」(『新訂 福翁自伝』岩波文庫 p.76 ※他の出版社でも表現に違いはありません。私が持っている本での引用です。)と語っています。
小学校の歴史の教科書では、明治維新での文明開化で新しく出た文化や様式に対して象徴的な「散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする」などのポジティブな一文を切り取って紹介されがちです。
そんななかで、福沢諭吉の「牛は随分硬くて臭かった。」は、当時の実情を知れて貴重だと私は思います。
もちろん、この牛肉は現代風にアレンジされているので、臭くありません。
肉に深みがあってとても美味しいです。噛み心地もとても良いです。
大阪の迎賓館とも呼ばれる名門リーガロイヤルホテルの直営店ですから、味は一流です。
続いて、”鶏肉と豆腐のつみれ”です。
毎月5と10のつく日に出されていたという豆腐汁の豆腐と、度々行っていたという鶏肉屋さんから再現してアレンジしたそうです。
左が鱈(タラ)で、右が”ネギと薩摩芋の難波煮”です。
”ネギと薩摩芋の難波煮”に関しては、毎月1と6のつく日に出されていた副食だそうです。
これは特に説明はありません。お漬物とほうれん草のだし煮です。
「まあ、こういうものを添えていたでしょう。」という感じ?
温泉玉子です。
夏期は、冷素麺に変わります。
ご飯としじみ汁です。
お米は、たぶん当時も白米だったと思います。
当時は、農村などでは玄米が主流でしたが、大坂の町人以上の階級なら白米を食べていたと思います。
毎月3と8のつく日には、しじみ汁が出されていたそうです。
デザートに薩摩芋のシフォンケーキ!!
これは適塾では出されていませんよ...笑
一流ホテル直営カフェテリアのケーキなので、最高でした!!
毎週水曜日はデザートデーで、ランチタイムにプチデザートのサービスがあるのです。
プチデザートのサービスがあることを知らず、たまたま水曜日に訪れてサービスされたので、ラッキーでした。
”カフェテリア スコラ”に行くなら、水曜日がオススメですよ!!
まとめ
”カフェテリア スコラ”の「適塾御膳」は最高でした。
量が多く、食べ応えある御膳でした。
名門リーガロイヤルホテル直営のカフェテリアですので、食材も厳選されていると感じました。
福沢諭吉にとっては、臭いという思い出の牛肉ですが、現代の「適塾御膳」の牛肉の質は非常に高く、逆の意味で印象に残る味に仕上がっていると私は感じました。
「毎月5のつく日は〇〇で」など、当時の適塾生にとって日により変化がある食事は、きっと一つの楽しみでもあったことでしょう。福沢諭吉曰く、それどころではなく、みんな勉学に必死で落ち着いて食べることなんてできなかったそうですが...。
歴史に触れ、最高の味わいを体験できる「適塾御膳」。
あなたもお昼時に大阪の中之島に行く機会があれば、ぜひ大阪大学中之島センター2階の”カフェテリア スコラ”で「適塾御膳」を召し上がってみてはいかがでしょうか?
アクセス
<公式サイト>
<Googleマップ>