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トヨタC+pod(Gグレード)を借りてきた
こんにちは、ユウジです。
トヨタの超小型EV「C+pod」をTOYOTA SHAREで借りて運転してみましたので、今回は新感覚の乗り物の体験として皆様に紹介していきます。
まずはじめに、C+podは"シーポッド"と読みます。
「机を改造したの!?」というくらいの幅
皆様、すでに写真を数枚ご覧いただいて共感いただけているかと思いますが、このクルマは驚くほど小さいです。
読書・勉強やPC作業等に使用する一人用の机にハンドルとペダルを付けたような感覚です。
車幅は1,290mmです。学習机やオフィス用デスク・PCデスク等で左右に少しゆとりある物が大体120cm前後なので、まるで机にハンドルをつけたようなサイズ感です。
もう一つ例えると、セミダブルのマットレスが同じく幅120cm程なので、セミダブルで寝ている人にとってはベッドに車輪がついた感覚ですね。
標準的な車の車幅を少し出してみると
N-BOXなどの軽自動車:1,475mm
コンパクトカー等の多く:1,695mm
セダン・SUV等の多く:1,800mm前後
輸入車のセダン・SUV等の多く:1,850mm前後
1,290mmの小ささが際立ちます。
ちなみに私は鉄道に人並み以上の知識があるので、鉄道界のサイズで比べると...
JRの在来線の線路幅:1,067mm
新幹線や関西私鉄の多く:1,435mm
なんと、新幹線のレールとレールの間に入り込めてしまいます。

余白が多い
標準的なサイズの駐車枠でこんな感じ
スリムなC+podなら横並びで2台停められそうです。
長さはベッドに少し足したくらい
全長も短いです。2,490mmです。
数値上はキングサイズベッドより長いですが、目の前で見ると大して変わらないように感じます。(ベッドの横に停めない限りは、長くは感じないでしょう。)
実際に身体を動かせる室内範囲は幅はセミダブルと同じくらいで、長さはそれより短いです。※ 座席はフルフラットまで倒れません。
ホンダの軽自動車N-BOXのホイールベース(前後の車軸距離)が2,520mmですので、あの車の車軸間で完結してしまっているというサイズ感です。

このクルマのホイールベースよりも全長が短いC+pod
ボンネットは短く、シートのすぐ後ろはすぐトランクです。電気モーターとバッテリーだからこそ出来たサイズ感だと言えるでしょう。
ここまで小さくなると、ガソリン車なら原付のエンジンでないと収まらないでしょう。おそらく四輪で2人乗りなんて排気量的に実現不可能...?。
たたみ3畳に収まるサイズ
ここまで幅・長さを分けて見てきましたが、車両を置いた時の占有面積を見ていきましょう。
車両のサイズ(占有面積)
1,290 × 2,490(mm)
なんと、たたみ3畳の部屋に停められます!!
畳にも大小ありますが、最も小さい団地間でも3畳に収まります。[団地間の3畳:1,700 × 2,550(mm)]
団地間3畳のイメージをここに貼りたいのですが、フリー素材で良いものが見つからないので、想像でご容赦下さい。
小さくて必要最低限の内装
ドアを開けるとこんな感じです。樹脂製のためドアはペラペラに薄いです。
こんなに隔たりの少ないドアは人生で初めて!笑

助手席が近い
助手席との距離が近い!
距離が縮まってデートには良いかも(笑??)
... 外との隔たりがなさすぎてダメか
往復数kmの近場へ何かを配送するなら荷物置きに良いかもしれません。過疎の集落で、主に高齢世帯を対象に商品配送をしているようなお店が一台持つと凄く役立ちそうです。
速度等の情報は中央のモニターに表示されます。
ハンドル奥側に着いているモニターはカーナビ兼バックモニターです。シガーソケットから電源を取る方式で、ケーブル丸出しは後付け感が拭えません。
ハンドルは低価格帯のトヨタ車に採用されているものと似た形状・質感です。
ボタン類はなくクラクションのみとシンプルです。
今回借りたこのクルマはGグレードの為、エアコンも付いています。Xグレードでは非搭載です。(価格差は7万円)
エアコンは冷房のみで、冬場はシートヒーターで暖を取ります。
シフトはボタン式です。上から R(バック), N(ニュートラル), D(運転)と並んでいます。P(パーキング)はありませんが、足踏み式のパーキングブレーキがあるので省略しているのでしょう。
電源ボタン(ガソリン車で言うならエンジン始動ボタン)を押すと、先端のモニターにNが表示されます。これはちょっと違和感がありますね。慣れていないので、Pでないと私には不安感があります。
ペダルまわりは軽トラみたいにボディ丸出しの無骨な感じで、ちょっと足で叩くと金属音が響き、質感は低いです。
パーキングブレーキはブレーキペダルの左隣にある踏み込み式です。
窓は手動式です。フックを下げて開けるタイプです。
プラスチック製と思われる薄いもので、遊園地の乗り物感が強いです。
助手席側の窓も運転席から手が届きます。
あと、返却時に気づきましたが、このクルマには室内灯がありません。
走行の感触
電気自動車ですので、まずはここから!
フロントのトヨタエンブレムがある蓋を少し押すと充電口があります。
普通充電(100/200V)のみで、高速充電には対応していません。(※ 街中に少しづつ増えつつある高速充電器では、充電できませんのでご注意を) 200Vのフル充電で5時間です。
完全に近場(数kmから長くても30kmくらい)利用を前提に設計されています。自宅充電が大前提のEVです。
近場前提というのは、先ほどお見せした内装の貧弱さでも感じるものですが、性能面でもそう言える設計です。
このクルマは60km/h以上の速度が出ないように設計されています。自動車専用道路・高速道路は走行できません。
一般道の上限(一部除く)までしか速度が出ませんので、このクルマを運転していて、速度違反で警察に止められることはほぼありません。オービスを光らせる心配もありません。実際ベタ踏みしても63km/h(二人乗車で若干の下り坂)で加速が止まりました。トラックのようにリミッターが搭載されているようです。
50km/hを超えてくるとモーターが高鳴って落ち着きがなくなります。30・40km/h制限の道路をのんびり走るのがちょうど良いです。昭和から走っている古い通勤型電車(前面が流線形ではないタイプ)が100km/h超えで走っている時のような高鳴りです。正直キツイ...。
運転してみたファーストインプレッションですが、死角がほとんどなくて運転しやすいと感じました。
上の写真で視界の良さを皆様にも感じていただけていると思います。
道路(車線)がとても広く感じました。
ハンドルは適度な重さです。
小回りが驚異的に効くので、軽すぎず重すぎず安心感的にちょうど良いです。
サイドミラーは見やすくてとても良いです。
例には挙げませんが、一部コンパクトカーでは感覚が掴みづらいミラーの車もありますので、ここは私が結構重視するポイントです。

狭い道の王者 キョーロスター
C+podはまさに狭い道のチャンピオンです!!
日本のこういう狭い道も楽々走れます。
N-BOXなどの軽自動車でも「楽だなぁ」と思えますが、このクルマはそれを大きく凌駕しています。
不安に思う瞬間がなく、スイスイ通り抜けて行けます。自転車の延長感覚で運転できます。
街の音、におい、風、道路の凹凸など自転車で走る時と変わらないくらいダイレクトに伝わってきます。
昔ながらの街並みや観光地などで、C+podは他のどのクルマよりも身体と外との一体感を感じられます。
C+podの総評
超小型EVのC+pod。全く新しい感覚の四輪車です。
4つタイヤがあるのでクルマではありますが、クルマというより遊園地の乗り物で公道を走れるという感覚でした。
お恥ずかしながら24歳の私はまだゴルフを体験したことがないので、体感的には分かりませんが、ゴルフカートの延長みたいという声もあるようですね。
速度は60km/hしか出せない為、本当に近場移動に特化したクルマです。
先ほどお見せしましたが、リヤウインドウに60km/h以下というステッカーが貼られていますので、後ろから煽られることはありませんでした。「このクルマは60km/hまでしか出せないんです。」という効果なのか、見るからに非力な見た目からかこれで煽ろうとは思わないんでしょうね。
加速のパワーも非力で、電気自動車特有の高加速はありませんでした。
はじめて電気自動車(EV)を体験する方にはC+podだけはオススメできません。
お読み下さった方のなかで電気自動車に乗ったことがない方は、まずはテスラか日産リーフに乗って下さい!!
ただ、非力ですが、電気自動車のメリットが大きく活かされたクルマだと私は思います。
まず、この驚異的なコンパクトボディ(さらに二人乗り)で60km/hまで出せるということ自体エンジンでは難しいはずです。たぶん原付レベルのエンジンしか載せられないし、ガソリンタンクのスペースも厳しい。
個人的に自家用車として買おうとは全く思いませんが、観光地で借りられるなら嬉しいクルマだと思います。また、過疎の集落などで、免許を返納しようか迷っている高齢者にも良いかもしれません。生活になくてはならないクルマとして一般道はほぼどこでも行けます。
EV化・脱炭素化等を世界的に迫られ、これからの舵取りが注目のトヨタ自動車。
ちっぽけに見えても、電気にしか出せない新しい身近なクルマだと私は感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。