電気自動車で日本再上陸 ヒョンデIONIQ5に乗ってみた

こんにちは、ユウジです。

今年13年ぶりに日本に再上陸した韓国の現代自動車(ヒュンダイ改めヒョンデ)。電気自動車(EV)と水素燃料電池車(FCV)に絞って再び日本市場に参入してきました。

 

日本国内では知名度の低い自動車メーカーではありますが、世界的には非常にシェアを伸ばしています。

世界シェアでは、1位フォルクスワーゲン、2位トヨタが圧倒的なシェアではありますが、順位的には遠くはなく、6位にヒョンデが入っています。(2021年ディールラボから)

 

一度でも外国に旅行に行ったことがある方は共感いただけると思いますが、道路ではヒョンデの車を割と目にします。日本が如何に世界的な感覚と離れているかを感じます。

 

そんなヒョンデの電気自動車「IONIQ5(アイオニック5)」をAnyca officialシェアカーで借りて運転してみましたので、紹介していきます。

 

 

IONIQ5のサイズ

 

IONIQ5

2022.4.8 大阪試乗会にて撮影

 

まずはサイズを見ていきましょう。

IONIQ5のサイズ
全長: 4,635mm
全幅: 1,890mm
全高: 1,645mm
ホイールベース: 3,000mm
最低地上高: 160mm
最小回転半径: 5.99m

 

全長はトヨタ・RAV4(4,610mm)より若干長いです。コンパクトな部類と言えるでしょう。

 

全長はコンパクトですが、ホイールベースはなんと3mあります。

他社の電気自動車と比較すると、テスラのフラッグシップSUV「Model X」の2,965mmより長く、メルセデス・ベンツ「EQE」の3,120mmより短いサイズ感です。

 

ロングホイールベースな為、小回りは効きません。最小回転半径ほぼ6mです。

メルセデス・ベンツ「EQE」はリアステアリング(前輪だけではなく、後輪も10度切れる)のおかげもあって、驚異の4.9mです。2.5倍以上の価格差とは言え、メルセデスはロングホイールベースでも運転のしやすさを犠牲にしません。

リアステアリングつけるのは価格的におそらく不可能ですが、それならここまでロングホイールベースにしなくて良かったと個人的に思います。このクルマなら2,800mmくらいで私は十分です。それでも長い部類に入ると思います。

 

 

全幅は1,890mmとワイドですので、停められる場所は限られてきます。

最低地上高は160mmと低く、乗り降りはしやすいです。

 

内外装レビュー

 

外装

 

前からの印象

 

IONIQ5 ビッグマン前

IONIQ5 シェアカー

 

コンピュータ画像の最小単位であるピクセルからインスピレーションを受けて誕生したデザインだそうです。ライトを中心に正方形のピクセルが多数散りばめられています。

フロントのデザインが、AndroidスマートフォンのGoogle Pixel 6aなどに似た雰囲気です。ヒョンデと同じ韓国企業では、数年前のサムスンのGalaxyシリーズにも似ています。

 

最近の乗用車では、日本国内外メーカー問わず全体的に丸みある外観デザインが増えてきていますが、IONIQ5はそれとは別の尖った方向を示しています。他のメーカーではあまり見られないオリジナリティあるデザインの挑戦は素敵だと思います。

 

ただ、私は流麗化していくクルマのデザインの方が好みです。

 

 

後ろ・斜め後ろからの印象

 

 

 

メタリックな印象と言いますか?

ロボットチックな印象と言いますか?

クルマとしてはなんとも不思議なデザインです。各ラインの交点がどこも尖っていまして、私は落ち着きません。

 

タイヤ

IONIQ5 前輪

IONIQ5 後輪

 

タイヤとホイールも存在感があります。ホイールは花のようなデザインです。

19インチを履いています。235/55R19です。

 

 

ステーションワゴン!?

 

IONIQ5 ステーションワゴン

見た目は明らかにクロスオーバーSUVですが、メーカー公式(日本)ではなぜかステーションワゴンと表記されています。※ちなみにアメリカ版の公式サイトではSUVと表記されています。

 

スバル・レヴォーグ

スバル・レヴォーグ ステーションワゴンといえばこういう形です。

 

 

内装

 

センターと運転席 2画面の平面ディスプレイ

 

IONIQ5 運転席

これからのクルマにふさわしいシンプルな内装です。

 

センターディスプレイとハンドル奥のディスプレイはそれぞれ12.3インチと大画面です。

画面サイズは同じで並んでいますが、速度や車両状態など運転する上で重要な情報はハンドル奥に、MAPナビゲーションやオーディオなどはセンターにそれぞれ役割を分担しています。

 

エアコンなどは物理ボタンでの操作となっています。吹き出し口の風向調整は手動です。

 

ディスプレイは同じ韓国メーカーのLG製と思われます。憶測ですので間違っていたらすみません。

ここ数年スマートフォン, タブレットやパソコンで主流の黒フチではないので、個人的には少し古い印象を抱きます。※オプションやグレード関わらず全て白フチです。

 

前席も後席も左右へらくらく移動

 

 

 

電気自動車ですので後席にはセンタートンネルがありません。左右楽々移動できます。

また、運転席と助手席の間のセンターコンソールを小さくし、コラムシストを採用したことで跨がずに左右に行き来できるようになっています。

 

 

広いラゲッジスペース

 

ラゲッジスペースは十分な容量があります。※ボックスとチャイルドシートはシェアカーの備品です。

 

 

後席は後ろからは倒せず、シート傍のリクライニングレバーで倒します。これは少し不便です。

 

 

 

 

夜を彩るアンビエントライト!

 

IONIQ5 アンビエントライト

 

IONIQ5 アンビエントライト

 

IONIQ5 アンビエントライト

 

 

 

充電はUSB-AとQi

 

IONIQ5 USB-A

前席側のUSB-Aポートとアクセサリーソケット 靴紐解けていてすみません。

 

IONIQ5 USB-A

後席側のUSB-Aポート

 

 

IONIQ5 センターコンソール

センターコンソールにUSB-Aポート二基

 

センターコンソール内にはスマホ用の置くだけ充電(Qi)搭載

 

USB-Aのポートが合計5箇所もありますので、スマートフォンなどの充電はどこに座っていてもすぐ出来ます。便利だとは思いますが、もうこれは一昔前の感覚です。

日本仕様に限ったことかもしれませんが、USB-Aはもう古いです。

 

今やスマートフォンの業界標準を牽引しているような企業に、このクルマと同じく韓国のサムスンがありますが、そのGalaxyシリーズはコネクタをUSB-Cに変えてから5年以上経過しています。(※2017年発売のGalaxy S8以降、USB-C搭載)

頑なにLightning端子から変えないAppleのiPhone(EUでのUSB-C標準化の法案で2024年末までにAppleも変えざるを得なくなりました)も、2019年発売のiPhone 11シリーズ以降ではLightningケーブルの片側が、それまでのUSB-AからUSB-Cに変わっています。

 

いま新しいスマートフォンを買えば、iPhoneでもAndroidでもUSB-Cが標準なのです。

わざわざ追加でUSB-CからUSB-Aへの変換アダプタか、片側がUSB-Aのケーブルを用意せざるを得ないのです。

 

 

IONIQ5の今後の改良で、USB-Cにポートが変更されることを期待します。

 

 

 

後席下にAC100Vコンセントあり

 

IONIQ5 コンセント

後席下センターに配置 カバーを引き戸のようにずらして使用

 

後部座席下にはAC100Vのコンセントが1基搭載されています。

出力が高く、ヘアドライヤーやトースター、コーヒーメーカーなど生活用品も難なく使用できます。キャンプなどアウトドアに便利ですし、災害避難時にも頼もしいです。

 

ウインカーとワイパーは日本車と同じ配置

 

IONIQ5 ワイパー

左がワイパー

 

IONIQ5 ウインカー

右がウインカー

 

IONIQ5日本仕様車では、他の輸入車にはない変更がなされています。(同時に日本に上陸したNEXOでも同様です。)

なんと、ワイパーとウインカーのそれぞれのレバーの位置を日本車(国内向け)に合わせているのです。

日本在住で普段日本車に乗っている人が、輸入車に乗った時にウインカーを出すつもりが窓を拭いてしまうということはよくありますが、ヒョンデなら間違えることはなくなります。

 

日本人に売りたいという意気込みを感じます。

しかし、私はここにこだわるよりも次のシフトレバーの方にこだわって欲しいと思いました。

ワイパーとウインカーを間違えたからといって大きな問題は起きません。前後進のシフト入れ間違いの方が深刻です。

 

 

シフトはコラム式だが....

IONIQ5 コラムシフト

ひねって選択する構造

 

IONIQ5 コラムシフト バック

 

IONIQ5 コラムシフト P

 

シフトレバーはハンドル傍にあるコラム式です。右側のウインカー下にあります。

ひねってD(ドライブ:前進)N(ニュートラル:ギア無伝達)R(リバース:後進)を選択します。Pは先端を押します。

ひねるという動作は独特ですが、ハンドル右側についている点はメルセデス・ベンツ、テスラと同じです。(※両社とも左右ウインカー点滅のようにレバーごと動かし、Pは先端を押します。)

 

しかし、メルセデスベンツ、テスラと異なり方向が真逆です。

両者とも上がR、下がDですが、IONIQ5では画像を見ての通り真逆です。

コラムシフト以外でも殆どのオートマ車は、上または奥方向に動かすとRで、下または手前方向に動かすとDというのが常識となっていますので、操作ミスのリスクが高いと思いました。

 

 

電気自動車はガソリン車と異なり、トランスミッション(変速機)は存在しません。

ということは、すべての速度で同じギアを使って動かしているのです。(ギアは複数ありません。)

 

ガソリン車の場合は、前後進はそれぞれ別のギアを使用しているので、切り返し等でDとRを切り替えた時にしっかりと感触が伝わってきます。乗り心地の良いクルマであっても、ドライバーには確実に伝わるように出来ています。

 

しかし、電気自動車は同じギアでただモーターを逆に回転させるだけなので、表示を見たり音を聞かない限り分かりません。

日本の義務教育を受けたことがある方なら共感いただける例えになるかと思いますが、小学生の頃に理科の授業でモーターと乾電池を直接手で繋いだことありますよね?

プラスとマイナスを逆にしてもただ逆に回るだけで回り方に差はありませんでしたよね。あの感覚です。

あとはプラレールの前後切替も似たような感じですよね。(厳密に言うと、プラレールはだいたい3両セットなので、荷重の違いはありますが...)

 

 

もちろん電気自動車のバックは、出力制限がかかりますが、入れた瞬間が感触として伝わってきません。D,Rの選択方向は一般的なものにしないと危険だと私は思います。

 

 

中央にブレーキが配置されていて安全

 

 

右ハンドルでは内側に寄りがちなペダル配置ですが、真ん中に足を出せば確実にブレーキに足が当たる安全な設計です。

 

今回の車はメタルペダルを省略したレンタカー仕様になっています。

日本ではまだ全然売れていないのに作り分けなんてしなくて良いのに...

また、このAnyca Officialシェアカー(DeNa保有)は、試乗会でも使われています。常設の所は違うかもしれませんが、少なくとも地方のイベントでは全てそうです。

DeNa保有の車を借り受けてヒョンデが試乗車として一時的に使っているのです。

 

試乗車には最高グレードでオプション全入りにしましょうよ!ヒョンデさん!

京都でテスラモデルYに試乗したことがありますが、AWDの最高グレードでした。初めての体験に最高のモノを用意するのが、メーカーとして普通だと思います。

 

 

走行フィーリング

 

クルマの特性

 

高速では安定のクルーズコントロール

隣車線の車も認識

 

クルーズコントロールも装備されています。

高速道路では周囲の状況(前方車、隣車線の車)を把握し、自動で速度とハンドルをコントロールしてくれます。クルーズコントロールは車によって安定性に差が出てくる機能ですが、IONIQ5は車線内をふらつかずに安定して真ん中を走ってくれました。

 

しかし、カーブについては減速が少し足りない印象を受けました。他のメーカーでもだいたい同じような傾向ですが、自動運転はカーブ時のGの調整が、人間の感覚にはまだ及ばない印象です。
あと、斜め前の車がウインカーを出した時には、配慮してあげるというのも欲しいです。

ヒョンデに限らず、入りたがってるのに無視して加速するような空気の読めなさがあります。

もっとジェントルマンに運んでもらえるようになってほしいですね。

 

 

オービス(速度取締機)接近を教えてくれる

運転中に唐突にお知らせが入り撮影はできませんでしたが、オービスに接近していることを音声で教えてくれる機能があります。明確に覚えていませんが、500m手前くらいから「〇〇m先速度取り締まりがあります。」と教えてくれます。2回くらい教えてくれますので、速度超過なく通過できます。

ユピテルなどのレーダー探知機を別途購入して車に取り付けている人にとっては、標準装備はありがたいと思えるかもしれません。

 

ディスプレイの機能性

 

ウインカー連動のブラインドスポットビューモニター搭載

 

左ウインカーで左後輪周りの映像が表示

 

右ウインカーで右後輪周りの映像が表示

 

左右ウインカーと連動し、ブラインドスポットビューモニターがハンドル奥のモニターに表示されます。

この機能は他のクルマを例に出すと、テスラにも搭載されています。

右左折時にバイクなどの巻き込み防止確認で、クルマの形状的に見えづらい箇所を補ってくれています。また、車線変更時にも見落としが防げます。

 

ただ、実際の公道上の運転で私はあまり見ることがありませんでした。

右左折時にはルームミラー(バックミラー)+ドアミラー+後席窓からの目視が癖になっていますし、道路が空いている時の車線変更はルームミラー+ドアミラーへの注意で大半がカバー出来ますので(もちろん最後に目視もします。)、ブラインドスポットビューモニターに視線が行かずに終わってしまいます。

 

便利な機能ではありますが、視線移動が減ると車体周囲を把握する能力が落ちる気がします。

過度に頼るのは良くないと思います。これは次に紹介するバックモニターに関してもそうです。

ないと運転できないようでは困ります。

 

 

駐車はらくらく

 

 

バックモニターは上から丸見えアラウンドビューモニター(日産の呼び方)があります。ヒョンデではサラウンドビューモニターと呼ぶようです。

まるでドローンで真上から撮影したかのような合成映像は、駐車時に自車の位置を客観的に把握できてとても分かりやすいです。夜でもノイズ少なく良好な画質です。

機能として不満はなく十分ですが、一つ追加するならトヨタ・bZ4Xのようにタイヤのリアルタイムの切れ状態が分かると、さらに運転しやすいと思える人が増えるでしょう。

 

 

 

ナビは頼りない

目的地設定後、まさかの”ルート案内ができない”

 

音声の誤認識多発となぜか経路探索ができないということがありました。

目的地は東六甲展望台。阪神地域で有名な展望台です。

音声認識でちゃんと候補が出てきて、東六甲展望台をタッチしましたが、「経路探索ができませんでした」というメッセージが流れました。何度試しても同じでした。

 

最近のトヨタ車のナビの方が使いやすいし地図も見やすいです。

独自マップを作るより、テスラみたいにGoogle Mapsを採用した方が遥かに使いやすいと思います。

今回は試しませんでしたが、Apple Car Playに対応しているようです。CarPlayでGoogleマップを表示させて操作する方が便利そうです。

 

 

画面は発熱しやすく、タッチ感度は一昔前のAndroidスマホみたい

画面は発熱しやすく、タッチの感度は低いです。

数年前の廉価なAndroidスマホのような感覚です。特に拡大縮小のピンチアウト/インの操作の反応が悪く、スマートフォンで地図アプリ(Google Mapsなど)を操作する感覚とは離れています。

割と他のメーカーも似たり寄ったりな部分ですので、もう少しクルマ業界全体が力を注いで欲しいと思っています。

 

こういうタッチ操作の点では、スマホと変わらないタッチ感を実現できているテスラは先進的です。

フロントセンターにiPadを付けたようなテスラのあのディスプレイ。

iPadと変わらない使い心地です。テスラがAppleから優秀な人材を引き抜いて作ったとしか思えないくらいクオリティが高いです。

 

 

まとめ

 

今回乗ったヒョンデ・IONIQ5ですが、正直誰もが乗りやすい車とは言えません。

好みの分かれる癖のあるデザインということと、作り込みの実用性でパーフェクトとは言えないと私は感じました。

 

デザインについては人それぞれ感じるものですので、全く否定はしませんが、正直私の感性には刺さりません。コンピュータチックな外観は、他の車にはない挑戦的な姿勢が非常に良いと思いますが、好みではありません。

 

実用性については、後部座席をトランク側からボンと押して倒すことができず、両傍のリクライニングレバーでしか倒せないのは実用性が大きく欠けています。コストコやIKEAなどでたくさん買い物した時など、誰かの背中を押すように後席を倒せないと結構ストレスだと思います。せっかくトランクが広いのに勿体無いです。

 

日本の道路環境での実用性は厳しいです。

小回りの効かなさが私にとっては辛く感じました。

今回六甲の山坂道、大阪・兵庫の街中の一般道、高速道路と色々な道路環境を試しました。高速道路なら直進安定性が発揮されて快適ですが、曲がりくねった狭い山坂道ではちょっと怖く感じました。

私のドライビングテクニックの問題もありますが、サンデードライバーの方や運転が得意でない方など、一定の割合で共感いただけるかと思います。

 

内輪差に気を遣う量が多くて、普段使いは私にはとても出来ません。

 

最後に、クルマは人それぞれ色々なスタイルで選ぶものだと思いますので、気になった方は一度試乗してみると良いと思います。今回私はAnyca Officialシェアカーで一時間1,200円で借りましたが、定期的に試乗会が全国主要都市で開催されていますので、一度体験してみてはいかがでしょうか。

何らかの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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