【京急】神奈川新町踏切事故 踏切障害物検知とATSの連動で被害が軽減した可能性

こんにちは ユウジです。

 

2019年9月5日午前11時40分頃、京急本線の神奈川新町駅すぐの仲木戸駅側の踏切で、快速特急の列車と13tトラックが衝突する事故が発生しました。 この事故については、インターネットやテレビ・新聞等の報道によって既にご存知の方が大半だと思います。

 

衝突したトラックの運転手が列車の下敷きになり死亡、列車の乗客乗員33人が軽傷を負うという大きな被害となりました。 快速特急列車は踏切内で立ち往生していたトラックと衝突し、踏切から約90m進んで止まったようです。衝突から約90m進んで止まるまでの間に、列車はトラックを進行方向へ引きずり込みながら、3両目まで脱線するという状態になり、引き摺り込まれたトラックは炎上するという事態に至りました。

 

遮断棒が降りて以降、トラックが踏切内で立ち往生している時、踏切障害物検知装置が作動し、踏切前に数カ所設置されている特殊信号発光器と呼ばれる踏切内の異常を知らせる信号が点滅しているのを列車の運転士は確認し、非常ブレーキを掛けたが間に合わなかったそうです。

 

10m、130m、340m離れた位置に特殊信号発光器があり、600m手前でブレーキを掛ければ時速120kmからでも踏切手前で止まれるようになっているようです。神奈川新町駅は前後が直線であり、快速特急の場合は京急の営業最高速度の時速120kmで通過します。

一番離れている信号が340m手前なので、信号の地点でブレーキを掛けたのなら当然間に合いません。600m手前なら止まれるということは、一番離れている信号からさらに260m手前( = 600m - 340m)で運転士が表示を確認してブレーキを掛けなければならなかったということになります。

 

もちろん、トラック側に過失責任がありますが、京急も人間の能力に依存しているシステムに欠点があったと思います。

遮断機が降りてから踏切内に障害物を検知したら、ブレーキ操作を完全に運転士に任せるのではなく、接近する周囲の列車全てに自動でブレーキを掛けるシステムがあれば事故を回避できた可能性が高いと思います。

 

こういうシステムを採用している鉄道会社はいくつか存在します。

踏切障害物検知装置が作動した時に、周囲のATS(自動列車停止装置)またはATC(自動列車制御装置)を停止信号に切り替え、接近する列車にブレーキを自動で掛けるという仕組みです。

ATS/ATCによって停止信号になり、自動でブレーキが掛かった時には、運転士はそのまま運転を継続させることができません。障害物が検知されなくなるまでは停止信号が継続し、列車は絶対に動かすことが出来ません。

 

これは非常に優れた仕組みだと私は思います。

 

これを採用している大手私鉄は、阪急電鉄、東急電鉄(一部)、東武鉄道(東上線の一部)、小田急電鉄、京阪電鉄(一部)、名古屋鉄道です。

特にこの仕組みに積極的なのが、阪急電鉄です。

安全報告書に踏切障害物検知装置とATSの連動を行なっているということが記載されています。 毎年発行される安全報告書は阪急電鉄のホームページ(https://www.hankyu.co.jp/)で、PDFなどで見ることが出来ます。

2012年の安全報告書には、「当社のATSの歴史」という項目で、1972年に「踏切障害物検知装置とATSの連動の開始」と記載されています。

 

 

最初はもちろん全箇所ではありませんが、1972年から踏切障害物検知時に自動で列車を止める仕組みが導入されていたということに、私は驚嘆しました。

阪急電鉄が1972年からやっていることを、京浜急行電鉄はやっていないということになります。

 

 

阪急電鉄の路線は営業最高速度115km/hです。 京浜急行電鉄の路線は営業最高速度120km/hです。

阪急は、大阪と神戸と京都(京阪神)の住宅密集地域を高速で走行し、京急は東京(泉岳寺)と横浜・浦賀・三崎口・新逗子の間の住宅・工場密集地帯を同じく高速で走行しています。

密集地域を高速走行となると、運転士の目視確認だけに任せるのは無理があると思います。運転士の負担軽減という労働環境改善という意味でも、「京急も阪急のような仕組みを導入するべきなのでは?」と私は思っています。

 

線路脇に住宅がひしめき視覚からの情報量が膨大な環境で、100km/hを超える高速で走っているのですから、運転の疲労度は凄まじいものだと想像できます。 信号を確認しても、実際にブレーキ操作に移るまでには必ずタイムラグが発生します。そのタイムラグの間に120km/hの速度だと相当進んでしまいます。

 

人口が密集していてダイヤも過密というなか、踏切待ちの歩行者が「まだ行けるだろう」と遮断機が降りてからも渡ってしまうということが頻発しているということで、「障害物検知とATSを連動させていたら、止まってばかりになって遅延が続出するという声」もありますが、利便性よりも安全性を最優先すべきだと私は思います。

 


 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事